がん治療費の自己負担額に差がある理由



高額な先進医療と自由診療

 

 

ここまでは、標準的な治療を基にした費用ということで、保険を使った一般的ながん治療、いわゆる「標準治療」でのお話をしてきました。そしてそれ以外にも、高額な先進医療や自由診療によるがん治療というのがあります。

 

先進医療や自由診療に加えて、いわゆる民間療法などもあります。最近はインターネットの普及で、患者側も多くの情報を得られる状況にあるので、それがゆえに自分に合った治療法の選択という点で逆に大変難しいことにもなっているのかもしれません。

 

標準治療より高い費用をかけるのだから、治る可能性もその分高くなるはず、と考えてしまってもおかしくはありません。ただし、標準治療とはそもそもどのようなものなのかを正しく理解しておく必要もあります。

 

「標準」という言葉にまどわされるのかもしれません。主に「平均的」、「並みのレベル」といったような意味で使われることが多いですから、ではもっと上の治療法があるのか?と考えてしまうのでしょう。

 

国立がん研究センターが運営する「がん情報サービス」では、標準治療とは、科学的根拠に基づき、現在利用できる最良の治療だと示されており、「並み」どころか、現時点で最も効果が高いと考えられる推奨される治療なのです。

 

標準治療以外のがん治療法で「治った!」といった文言を目にすると、大変魅力的に感じると思いますが、メリット、デメリットについて、自身でしっかり検証することが重要です。